本日は1月3日、正月休みの真っ只中にあります。明けましておめでとうございます。
正月と云えば軽トラ。 ポンコツの劣化の激しい部品を交換せねばなりません。
この2つの黒い部品は一般にエンジンマウントと呼ばれ、エンジン(正確にはエンジンと結合しているミッション)を車体に乗せる部品です。
エンジンマウントは見た目はゴムの塊で有ることが多いのですがこの軽トラの場合はクロスメンバーと呼ばれるフレームごと交換しなくてはならないので費用が嵩むのです。
正確には、この2つの部品はエンジンと連結されているトランスミッションのマウントで、真のエンジンマウントは前回の車検時に交換されてしまい、今回の作業では対象外なのです。
エンジンフードを開け、作業がしやすいように外してしまいます。
ジャッキアップします。
まず、マフラーの遮熱板を取り外します。
次にエキゾーストパイプの遮熱板を取り外すのですが、これが本日の最大の難関。熱による錆でボルトの頭が痩せてしまっています。
通常の工具では全く回せないので今回はツイスターナットという工具を使います。
その名の通り6角のボックスレンチをねじった様な形にしており、回していくにつれてボルトの頭に食い込むのです。
しかし、このツイスターナットをそのまま使ってもボルトがねじ切れるのでボルトを緩める前にはトーチで炙らねばなりません。
なんとか外れました。
ツイスターナットを使って緩めたボルトは頭が痛んでしまうので再使用は不可になります。
新品に交換しなければなりません。
3個目に緩めようとしたボルトがどうしても緩まず、頭が台形になまってしまいました。
こうなるとツイスターナットでも無理なので諦めてエキストラクターを使おうとボルトの頭をグラインダーで削り落とします。
削り落としたトコロをタガネでコンコンと成型していたらラッキーなことにボルトが緩んできました。
よかったよかった。
このボルトが最後の1つになるのですが、なにやら嫌な感触が有ります。
ひょっとしてボルトが捻じ切れているやも・・・
と思いながら回していたら、やはり先端の一部が剥がれて雌ネジ側に残っていました。
どうやらトーチでの炙り方が足りなかったようです。
先端のネジ山付近だけだったので千枚通しで突きながら回して行くとなんとか取れました。 らっきい。
正規のボルトと比較。
これが雌ネジ側に残っていたらボルトを締めることはできませんね。
7個の錆び付いたボルト全てがやっと取れました。
遮熱板の穴にはハトメが有ります。
しかし、熱や錆でクラックが入って哀れな状態です。
エキパイの遮熱板を外すとエキゾーストパイプがでてきます。
高温の燃焼ガスが通るのでサビで真っ赤です。
エキパイとマフラーを接続するフランジのスタッドボルトのネジ山はしっかりしていて簡単に緩みました。らっきい。
邪魔になるものを外してゆきます。
エアクリーナーボックスをはずします。
空気導入菅がいくつかと、ブローバイがあります。
マフラーの取付けネジを外します。
ここも外します。
外します。
次々に外してゆきます。
ここも。
外さなくても良かった所が有るかも知れませんが外してゆきます。
ごろん。マフラー外れました。
トランスミッションが丸見えです。
赤く錆びたエキパイの向こう側にある水平にのびたクロスメンバーを交換するのです。
まず、エンジンとトランスミッションを吊って落ちない様にします。
有ったはずのフックが見当たらないので仕方なくカラビナを使用。
では、やっと本丸のクロスメンバーの取り外しにかかります。
これを取り外すとエンジン+ミッションが落下しますので作業前にはしっかりと吊れているか確認しておかなければなりません。
トランスミッションとクロスメンバーを連結しているナット4つを取り外して。
あとエンジンの右側にもエンジンマウントがあってそれの連結も外すのですが、車検時に交換済みなので撮影していませんでした。
クロスメンバーは4本のボルトでフレームに取付けられています。
左側に2本。
右側にも2本。
取り外します。
取り外せました。
ボルトを緩めます。
ミッション側の4本のナットを外さなくてもこのボルトだけで良かったみたいです。
簡単にとれた。
最初は簡単には取れないように見えたのですが、余計な手間をかけてしまった。
新旧の比較。
ちょっとした小物部品の付け替えをします。
新しい部品を装着。
次はミッション前側のマウントを交換します。
ボルトを抜きます。
ミッション側は4本のボルトでとまっています。
当然、ぬきます。
外れました。
そして、新しいのを取付けます。
撮影は忘れていました。
後は、がぁぁぁぁっと元に戻してゆくだけです。
結構大変でしたね。
新旧比較。
古いものは真ん中のスリーブの位置が下がってしまっています。
下のおむすび型のゴムが変形しているのが解りやすいですが、ゴム全てが劣化して潰れてしまっているのです。
劣化しているのはゴムの部分なのでそこだけを交換できればいいのですが部品が大きな単位でしか供給されないのです。
こちらも真ん中のスリーブの位置が反対側にまでずれてしまっています。
ゴムはかなり亀裂が入って切れかかっていますね。
ブッシュ単体での交換もできるのですが油圧プレスが必要なので私には無理です。
エキパイの遮熱板には耐熱塗料で塗装をしておきました。
1000℃まで耐えられるらしいです。
エキパイそのものにも使えそうですね。
これで作業は終わり、片付けにかかりますが、片付けはいつも大変です。
肝心の効果の方ですがトルク変化でエンジンが暴れなくなり操作し易くなりました。
エンジンやトランスミッションに起因する振動や騒音も少なく快適になりました。
めでたしめでたし。
後から考えるに....
マフラー外さなくても交換できたんじゃ無いかと思う・・・
墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
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