さて、先日タペット調整を行なった軽トラですが白煙を吐く様になってきました。
しばらくアイドリングを続けた後に一度エンジンを切り、その後にエンジンを始動すると白煙が出ます。
また、信号待ちでアイドリングを続けたのちに発進すると盛大に後続車への煙幕攻撃が見舞えます。
現象的にはオイル下がりと思われます。バルブステムシールが劣化して燃焼室内に侵入したオイルが燃える為に白煙となるのですね。
バルブステムシール1台分だと¥1200ぐらいの部品代ですが、修理に出すと原則として標準作業になると思われますのでシリンダヘッドを降ろしての交換作業となります。
そうなると少なくとも工賃が¥50000(根拠のない予想)ぐらいはするのでは無いでしょうか。
で、もしバルブステムシールが不良ではない場合、つまりオイル下がりでは無くオイル上がりだった場合はピストンリングの不良の可能性が大きくなりエンジンを降ろす必要が出てきますので工賃はさらに膨れあがります。
が、それだけではなくピストンリングが不良になっていると云う事はシリンダもそれなりに傷んでいると云う事ですのでエンジン交換の公算が高くなります。それはエンジンを下ろしてシリンダ内壁の状態を目視&測定しないとわかりませんのでオイル下がりの場合は自動的に中古もしくはリビルト品へのエンジン交換が前提となってしまいますね。
つまり、白煙を吐き出すと云うことは結構深刻なトラブルの可能性が有りますので、車屋に持ち込んだ所でキツイ作業を嫌がって中古車販売に血眼になる車屋さんの姿が目に浮かぶので¥1200の部品を買って非標準作業(プリミティブ)での交換をしたいと思います。
まずは、前回のタペット調整と同じ様にカムカバーを外しますね。
タペットを緩めてフリーの状態にします。
そしてロッカーを取り外します。 5本のボルトで取付けられています。
4気筒分のロッカーアームがシャフトごとあっさりと外れます。
本当に簡単ですね。
外したロッカー。
ロッカーを外した所です。
8つのバルブスプリングが見えますね。
リテーナーと呼ばれる丸い皿の部分を押すとリテーナーとステムに挟み込まれていたコレットが緩んでパンッと小気味よく外れます。円筒状の物で押すと良いです。
楔の役割をしていたコレットが外れるとリテーナーがフリーになりスプリングもろとも取り外す事ができます。
今回の非標準作業(プリミティブ)ではヘッドを降ろさずにバルブステムシールを交換しますのでバルブがシリンダ内に落ちない様にしなければなりません。
その為、交換をする作業のシリンダを上死点にして、さらに点火プラグ孔よりやわらかめの詰め物を入れるます。(必ずしも必須では無いと思うけれども作業性は向上する)
サンバーのEN07は1-3-4-2の点火順序なので1番を上死点にすると4番も上死点になり、そこから360°回転させると2番と3番が上死点になります。
作業対象のシリンダを上死点にしてプラグ孔からエアーのホースを軽く突っ込んでおきます。
これは2,3番の交換作業中。(というか交換終わってる)
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邪魔物が多くてピントが合いません |
スプリングを外すとバルブステムシールが見えます。
ラヂオペンチで引っこ抜きましょう。
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バルブステムシールを引き抜いた所。
バルブステムガイドとのガタはないので問題なし。
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blogの画像はクリックで拡大します |
バルブステムシールを新品に交換。
これを4気筒分、計8個を交換するのです。(実際には2気筒ずつ2回に分ける)
そして、組み立て。
まず、バルブスプリングの圧縮をしましょう。
針金をスプリングに通す。
万力にセットして針金のたるみを取りながらスプリングを圧縮。
となりの鉄工所で万力を貸してもらいました。
十分に圧縮できたら針金の両端を縛る。
できあがり。
げきてきビフォーアフター。
では、シリンダヘッドに組み付けましょうね。
スプリングとリテーナをセットしてコッタを挿入します。
スプリングを圧縮しているのでスカスカに入るのです。
セット完了。
スカスカなのでこのままだと簡単に落ちてしまうのですね。
ニッパーで針金を切断するとスプリングが伸びてコッターが楔になって固定されるのです。
これを4気筒分実施したらロッカーを取付けます。
そしてタペット調整。
タペットカバーを取付けたら作業完了です。
お疲れ様でした。
作業中の清掃バットの1コマ。
青いラミネートチューブはワコーズのオイル上がり、オイル下がり防止剤で騙されたと思って試したが当然騙された。
既に煙吐いているのにケミカルなんぞ通用するものか。
中央下に有るのはオクで購入のスプリングコンプレッサー。
このスプリングコンプレッサーは¥1500ぐらいのお手頃価格で購入した物です。
これが使えると作業が非常に簡単に行えるので期待しておりましたが結果的には全く使えなかったです。
EN07のバルブまわりは2バルブで有っても物凄く狭くてこのタイプの工具を使う余地は全く無かったです。
スプリングに引っ掛ける爪を削れば僅かに引っ掛ける事ができるが簡単に外れてしまいます。
深夜、ゴソゴソ試行錯誤で作業していると、いとも簡単に外れてしまいスプリングに弾かれたコッターが夜の漆黒の闇に消えてゆきました。
涙した。
コッターの予備など用意してません。
amazonなどのネットショップなどは在庫を持っていないので入手に1週間近く掛ってしまうので悩んでいたところ、ロビンエンジンと共通部品になっているのを発見して翌々日には入手できました。いやぁ良かった良かった。
(どうしてもすぐに必要なら移動用コンプレッサーのエンジン、ロビンEX35から取り外せばどうにかなるし)
で、まぁ。 組み立てはできました。
で、ここからが本題です。
交換済みのバルブステムシールです。
新品の部品の画像は取り忘れたので比較はできません。
オイルによる変色は有りますが・・・・
悪くなさそう?
つまり・・・・
バルブステムシールは悪くない。
オイル下がりでは無くオイル上がりなので。
直すにはかなりの出費が必要
という事ですね。
がっくり。
墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。
和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671
こんにちは、参考にさせて頂きたいのですがサンバーのEN07は1-3-4-2の点火順序なので1番を上死点にすると4番も上死点になり、そこから360°回転させると2番と3番が上死点になります。360の所は180の間違いではないでしょうか?
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