自らのポンコツ具合が切実になってきそうな状態でありましてどうにか改修したいと思っったところでどうにもならない今日この頃の和泉字彫店でございます。
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はい。
古いお墓です。 石種は御影石です。本御影とも呼ばれます。
神戸市御影地方で採掘されていた石ですが現在は採掘されていません。
歴史のある石ですが、流通量は非常に少ないです。
一般に○○御影とか呼ばれる石材はこの本御影にあやかって付けられました。
現代であれば優良誤認とかで景品表示法に問われるのでしょうか。
そんなわけで、昔に建てられた御影石の大きなお墓の場合は痛んだ箇所を削って一回り小さいお墓に改修する事は結構よくあります。
今回は、この大正時代に立てられたお墓の改修の文字彫刻作業を頂きました。
では、いってみましょー。
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こちらが右面です。
正面文字もそうですが、基本的に隷書体を手彫りで彫られています。
一部ですが、後に追加で彫られている文字もあり、それらはサンドブラストで彫られています。
隷書ですので「士」の様に飾り点を付けられている文字もあります。
が、多くの文字は細部を変えられています。これも筆写体になるのでしょうか。
筆写体とは、文字本来の形を変えて見栄えを良くする書き方で、身の回りの特定範囲の人に意味が伝われば良いとされる場合によく使われました。
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こちらが左面です。
頭の左側が大きく欠けています。
寸法が小さくなりますが欠けた箇所、痛んでいる部分が無くなる様に削って形を整えるのです。
当店は字彫り専門ですので加工は石材店(要はお得意様ですが) での作業になります。
元々は幅12寸の大きさでしたが6面全てを削って磨き直し10寸の大きさになりました。
文字は最初に彫られていた文字を拓本にとり、それを縮小して彫る事になりました。
ただ、梵字は今ひとつ格好が良くないという事で当店で使っている梵字を使用する事になりました。
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はい、いきなりで失礼します。
完成です。
途中で撮影をする心的余裕は全く御座いませんでしたので申し訳ありません。
元々は薬研彫りで彫られていましたが、正面は現代風に丸彫りで彫りました。
(ヤゲンボリ:漢方薬を粉状にする道具の形状で断面がV字状になる様な彫り方)
本御影は傷や空洞があったりするのですがこの石はおろして磨き直すととても綺麗でした。
この手の仕事はイロイロ悩むので簡単そうに見えて結構大変ですね。
墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~
和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671
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