2016/02/13

I can see clearly now

お久しぶりでございます和泉字彫店です。
やむ事の無い土砂降りの人生をいきてます。

この度、霊標への出張文字彫刻作業の依頼を頂きました。 
が・・・お話を頂いたのが納骨まで一週間を切っていると云う状況です。
現場の確認と既に彫刻されている文字の拓本を採集し、それを元に刻字する文字を作成して施主様に確認を頂いた時には納骨が3日後に迫っていました。
施主様からは、「出来るならば納骨に間に合わせたいが、急な話なので無理なら構わない」との旨のお話は頂いていますが、間に合うので有ればそれに越した事はありません



本日の出荷作業がやっと終わり、現在、14:00です。
この時間から出発したのでは前回に引き続き夜間作業になってしまいますが、納骨に間に合わせるには本日と明日の2日間しか有りません。
そして、明日は雨の予報なので実質本日のみとなります。

では急いで行ってみましょう。






はい。高松市内の村墓地に到着しました。
墓地とは行っても農家の方の敷地内に有る村墓地で、その農家の方が管理をされているそうです。
通路は車一台分の幅しか無く、通行の邪魔になりそうなので急勾配は怖いですがちょっと高台になっている所にコワゴワ登ってみました。(死)





本日、対象のお墓はこちらの霊標です。








こちらの村墓地も歴史があるのでしょう。

こんなお墓もあります。文政二年ですから二百年近く前になります

藏骨と彫られています。 今で云う五輪塔に相当するのでしょうか



陽が落ちてきました。 写真など撮っている場合じゃ有りません。

基準線をけがいてゴムシートを貼り付けました。

機材を降ろして運びます。

あ・・・・ライトを忘れてきているなんて言う事は無いはずだけれども。


あ、有った有った。  電池も・・・・あれ?

電池が切れている。 

どうやら積み込んでいる時にスイッチが入ってしまっていた様で切れてしまってます。

仕方が無いので近くのホームセンターまで逝って買ってくる事にします。


さっき登った高台になっている所を恐々降りるのですが登ってきたときと同じルートを後退で降りようとした場合にフロントの加重が抜けて操舵が効かなくなる様な気がします。



後退だとブレーキも効かなくなるのでなおさらです。

もしそうなると真っ直ぐに後退してしまうので最悪のケースでは柵も何も無い狭い道を越えて2mぐらいの高さの石垣から落ちる事になります。

なので、横転しそうで気乗りはしないけれど傾斜を斜めに横切る様に降りる事にしました。

ゆっくりゆっくり、注意しながら降ります。


ググググ・・・・うぉ・・うぉぉぉぉおおおぉぉぉん・・・・・・

ああああぁぁ。 やっちまった。

傾斜の下側にある左リアタイヤに加重が集中し、右リアの荷重が抜けてホイールスピンしてます。

こんなところでスタックしてしまいました。


デフロックでも有れば鼻歌交じりで抜け出せますが2WDの軽トラには普通そんなものは付いていません、イヤむしろ2WDの軽トラで現場作業などはリスキーです。


4WDの軽トラで有れば何事も起こらず涼しい顔していられるのですが。


どうにか脱出出来ないものかと、右リアに木の枝などをかませたりボロのブルーシートをかませたり、フロントの土を掘って落ちやすくしてみたリしましたがあまり効果はありませんでした。

悪戦苦闘していると近くの農家の方が助けに来てくれました。

2人で押してもらいなんとか脱出できました。

ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。

冷静に考えたら、サイドブレーキを引いた状態でリアタイヤを回せば脱出できたかもしれません。

なんで、こんな基本的な事を忘れていたんだろう・・・・・撮影も忘れてましたけどね。

そんなわけで無事ホームセンターに行って電池を買ってきたわけですが・・・・




既に、夜です。

なんかもう・・・

気力が・・・・・

あ、天気予報の詳細を見てみると、明日は昼過ぎから雨が止むようです。

そうしましょう、明日にしましょう。





翌日になりました。






雨です。

結構降っています。





天気予報です。

12:00には小雨になって15:00には止むらしいです。


もうすぐやむはずなんです。

止むはずなんです。

でも止みません。






霊標にはビニールシートを被せていましたので濡れていません。

しかし、雨がやむ気配は全く有りません。

どうしましょう・・・



しかた有りません、せっかくここまできているのに引き返すわけにもいきません。
 



ブルーシートで墓石全部を覆いテント代わりにして霊標と機材が濡れない様にしました。

現場作業用テントなんて高価な物は持ち合わせていないのです。




機材に雨が入ってこない様にブルーシート内に運び込みます。





別角度から。

かなり広範囲に覆わないと雨で機材が濡れてしまいます。

砂まで濡れると固まってしまいサンドブラストが出来なくなります。


彫ります。

彫ります。

ブルーシートに潜って彫るのです。





彫り終えました。

被せてあるブルーシートのせいで真っ青になってます。





今回、亡くなった方のお名前に朱色が入っていますので剥離剤で除去します。

なんか、とてもホラーな絵面になってしまいました。





字彫りの作業はこれで終わりですので片付けに移ります。

なんかもう、掃除が大変です。

雨は止むどころか激しさを増してゆきます。

カッパを持ってくるべきだったと後悔しながら二月の雨に打たれながら片付けをします。

当然下着までずぶ濡れです。





片付け、掃除完了しました。



私のNexus7は安物タブレットですので国産機の様に防水機能は有りません。

ですので雨天時はほとんど撮影できないのです。


軽トラのヒーターを最強にして暖めながら帰途につきます。

作業中は重量物を運んだり動いて発熱しているのですが運転席に座っているとイッキに寒くなってきます。

ヒートテック(notユニクロ)の下着を着ていたのですが、ヒートテックの特徴は吸湿で発熱、乾燥で冷却になります。皮膚表面の水分の吸収で発熱をして暖かく感じるわけですね。

そして、乾燥では気化熱として体温を思いっきり奪ってゆくわけです。

軽トラのヒーターを最強にしても、乾燥のフェーズになるので気化熱として体温を奪われて寒いのです。

冬山登山時にヒートテックや綿の下着が危険なのはそういうことですネ。

仕事場にたどり着いてファンヒーターにヤケドしそうなぐらい近づいてガクブル数時間の間震えておりました。

濡れた機材やブルーシートが乾く様にあちこちに設置して家路についたのは日付が変わってから。




雨は上がって星が出ていました。




墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671

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