2018/03/10

廃寺までお墓の戒名の現地彫りに

いつもお世話になります和泉字彫店です。

石材店の御得意様に連れられて普段気付かない様な道を通って思わぬ所にやって来ました。

目の前の建物は廃寺なのだそうです。





こちらのお墓の右面に彫り込みます。

9寸のお墓です。







既に彫られている戒名と位置が揃う様にゴムシートを貼り付けました。



ここで、同行の御得意様より俗名の上に続柄を付けろという指示が出ました。
既に彫ってある戒名には続柄は入っていませんでしたので今回も入れずに文字を作ったのですが。
どうやら御得意様の気まぐれのようです。
でもまぁ、こんな事も有ろうかと両方作成してきましたので貼り替えることにします。





下半分を切って剥がしてゆきます。









剥がしました。






続柄付きのゴムシートを貼り付けました。

でも「○○の義母」という続柄を入れることは殆ど無いと思います。






ゴムシートの接合部分には瞬間接着剤でしっかりと接着します。

これを怠るとそこから砂が入って石を線状に彫ってしまう可能性があります。

では、ブラスト機材のセットアップにかかりましょう。



彫刻ボックスをセットし、ブラストマシーンを設置します。

エアホースを軽トラに積んであるコンプレッサーから引いてきて接続します。

そしてブラストマシーンに砂を補給していると・・・施主様がお見えになりました。

作業の様子を御覧になりたかったようです。

そこで、続柄の事を確認すると・・・


あ! それは入れたらイカン!


どうやら、親戚の方がお寺様に連絡したのでその方の義母と云うことで戒名を書かれた様なのですね。彫る直前に確認できて良かったです。

しかし、どうしましょうか。
続柄の箇所を塞いで彫らない様にすることはできますが、それだと俗名の位置が隣の戒名よりも不自然に下がった位置になってしまいます。
剥がしてしまった続柄無しのゴムシートは既にゴミになっており使用することはできません。
施主様がお見えになっているのに一旦帰って作ってくるわけにもまいりません。

仕方がないです。

時間が掛かる上に危険ですが、今の状態から続柄、俗名を切り取って俗名のみをとなりに彫られている戒名と同じ正規の位置に貼り付けることにします。

かなりシビアなので撮影などをしている余裕などありません。





結構時間が掛りましたが文字彫刻が出来ました。

ゴムシートの剥がれなども無く、切り取った所のマスキングも問題無かったです。






白色塗装をして作業完了です。

やれやれ。



撤収作業の後、帰路につきました。







墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671

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