2014/10/28

露光フィルムによる名板の作成

和泉字彫店です、いつもお世話になっています。
今回は永代供養か何かに使用されると思われる板石への戒名の文字彫刻作業を致しました。


板石の大きさは180×75×5mmの大きさです。これはお寺様が檀家様に提示する為のサンプル品としてお寺様の戒名を彫り込んでいます。
1円硬貨と比較してもおわかりになると思いますが、1文字の大きさは10mm~12mmとなります。
このぐらいの大きさになりますと石材文字彫刻でよく使われているゴムシートでは文字の形にくり抜く事が困難になります。
全く不可能と言う事では無いですが細かい箇所を省略した上で、縦線と横線で構成したゴシック体の様な文字にせざろうを得ません。
それでも「蓮」のくさかんむりの下の「車」の中の格子状になっている箇所は潰れて無くなってしまうでしょう。

そこで、露光フィルムの出番となります。
ゴムシートに比べると薄く柔らかいので強度が無く深く彫る事はできませんがゴムシートの様に切ってくり抜く必要が有りませんので写実的な彫刻が可能です。

そんな便利な露光フィルムですがやはり欠点は有ります。
その最たる物はコストでしょうか。
  •  サンドブラストによる彫刻でよく使われているゴムシートやカッティングシートと比べると露光フィルム自体が遙かに高価で、フィルム以外にも作成の為の材料も必要。
  •  サンドブラスト時に細かい砂を低い圧力で吹き付けなければならないので石材、特に黒石の様に硬い材料は作業時間がかなり必要。
  •  紫外線による露光で樹脂フィルムに潜像させる為に太陽光(に含まれる紫外線)が入ってこない状況で作業する必要がある。当店では主に夜に作業しています。
  •  材料自体のサイズがA3サイズまでしか生産されていない為にそれを越える図柄は分割して作成できる物に限られる。 
  • 施主様の用意された原画や写真を元に作成する場合にその原画の品質に問題が有る場合には画像処理に非常に時間がかかったり出来上がりが良くない場合が有る。

写真画像の彫刻ではレーザー彫刻の方が高精度な仕上がりとなると思います。
ただ、レーザー彫刻の多くは深さがほとんど出ないので彫刻した後に着色する事が難しく塗料が盛り上がった様に見える事が多いです。

今回の場合は黒石への彫刻後に白色塗装を施しています。



墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671

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