香川県さぬき市へ戒名の彫り入れに

いつもお世話になります。和泉字彫店です。


平成の大合併と言われまして日本全国の自治体が近隣の自治体と合併致しました。

当店もかくして高松市の一員に組み込まれたわけであります。

いや、なんの話なんだと思われるかも知れませんが、つまりですね。

実はワタクシよく判ってないんです。××と△△と□□の自治体が合併して○○市になったとか。

昔の自治体名で無いといまいち把握できません。困ったものです。

そんなワタクシの今日の現場は香川県さぬき市です。

名前は変更してます

 はい。


こちらが現場です。


個性的な行書体っぽい楷書体で彫られています。



では行ってみましょー。

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花立てにはそれぞれ「献華」、「焚香」と彫られています。
ちょっと珍しいのではないでしょうか。
近頃では○○家とか家紋とか蓮華の花とかをよく見ます。
水鉢に彫られている家紋は三つ重ね松（ミツマツとかミカサネマツ只の三階松とかイロイロ呼び名があります）ですがかなり個性的です。
幹も個性的ですが真ん中の段の枝が幅広いというのは初めてです。

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お墓を建立された方が既に亡くなっていますので朱色を除去しなければなりませんが、塗料が石に染み込んでいる感があり難儀しそうです。
これは裏面の建立者の文字ですが戒名と共に彫り込まれている数名の俗名にも朱色が入っています。既に皆亡くなられていますので追加彫りの業者が除去すべきなのですが、放置された様です。
建立者の名前程度の大きさであればサンドブラストで除去するのですが俗名は小さく画数の多い文字が含まれているので剥離剤を使って除去する事にしました。良く馴染ませる為に文字彫刻前に塗布しておきます。

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今回は五人割りとなってます。


基準線を正確に罫書いて貼り付けますが既に彫られている文字が結構ルーズで右に寄ったり左に寄ったりしています。


それに干渉せずにレイアウトしなければ文字が重なって彫れてしまいます。

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貼り付けたゴムシートから文字の所をくり抜いて行きます。

「佛」と「才」

既に彫っている文字が大きく右に寄ってきてますがなんとかかわす事ができました。

よってきている分だけずらせば難なく彫れますが、次に彫り込む際に全てのしわ寄せが発生しますので、なるべくそういう事は避けたいと思っています。

ゴムハンマーで叩いてゴムシートの密着性を上げます。


本当はローラーで圧定する方が効果的で楽なのですが、ローラー式の工具は高価なので現場で無くしたり忘れたりすると損害が大きく、貧乏人のワタクシは苦労してゴム鎚でひたすら叩き続けるのです。

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あ、これはイカンです。

「佛」の中の格子状になっている所のゴムが無くなってしまっています。

このまま彫ると文字になりません。

瞬間接着剤を使用して代わりのゴムを貼り付けて直します。

彫りました。


文字彫刻の方はこれで終わりです。

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剥離剤を使った朱色の除去ですがやはりちょっと難儀な事になってきました。
彫った業者が無理矢理深く彫っておりまして剥離剤とブラシが底まで思う様に届きません。
既に３クール行いましたが少し赤っぽいです。
もう１クール行う必要が有ります。

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朱色の除去も終わり片付けに入ります。


影ができる方から撮影しないと彫ったばかりの文字はよく見えません。

パッと見よりポンコツです

片付け完了で帰路につきます。

朱色除去に意外と手間取ったので時間がかかりました。

もう陽が傾き始めています。
斜陽なウチのポンコツ軽トラ。既に１６年です。　
　
落ち葉マークは先代の物だった為。



墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格￥２０，０００～

和泉字彫店
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