2015/11/05

香川県善通寺市まで法名碑の現地追加彫りに

いつもお世話になります和泉字彫店です。

ワタクシ。香川県民で有りながら香川県の西の方、所謂西讃地区の土地勘がほとんど無いです。

今迄、あまり香川県の西の方に行った事が無いんですよね。 機会が無かったんですが。



そんなワタクシが到着したのはこちら、善通寺市の墓地です。

全てナビ頼りです。

安物タブレット端末のNAVIですのでしょっちゅうGPSロストしてあり得ない案内を繰り返すのですが、まぁ貧乏人のワタクシにはお似合いで有ります。

では早速行ってみましょう。





大きくなったりします

こちらの法名碑に追加彫りを致します。

いきなりでは有りますがゴムシートを貼り付けます。

既に彫られている文字に位置を調整している所です。


アルミで擦ると文字が浮き上がってくるので確認しながら位置決めをします。







マタマタいきなりですが、

彫る準備完了です。


彫ります。

彫ります。

画像では移っていませんが手前が通路でお墓の敷地より60cm程下がっていて法名碑の前に機材を置くと意外に狭く、60cm下の通路に落っこちてしまそうになります。

サンドブラストの作業中は跳ね返ってきた砂から防護する為の面をかぶっています。

溶接用の面を改造した物ですが視界が非常に悪く、ブルーシートが邪魔で躓いて落ちてしまいそうになりますが、まぁ仕方ないでしょう。

防護用の装備がないとメガネのレンズなどは一瞬にしてスリ硝子になってしまうのです。

そんな中がむばって彫っていくのです。




はい。

彫り終えました。

全ての文字がしっかり彫れているかどうか確認します。面をかぶっているとハッキリ見えませんので面を外して肉眼でしっかりと確認する必要があります。





掃除をします。まとまった量の砂はホウキで集めて再利用します。使い捨てに出来ほどに安価では有りませんし、繰り返し使う事により字彫りの最適な粒度になるのです。
この灰色の砂を石に吹き付けて文字を彫っていますが。研磨剤の材質としてはSiC(炭化ケイ素)となります。 石に文字を彫る為に使用している研磨剤ですので硬度は結構あります。
大昔ははガーネット(品質の良い物は宝石として扱われますね)のも使用されていましたが作業性が良くないので今ではまず使われません。
酸化アルミ(アルミナ)を使用する業者も小数います。
硬度は落ちますが摩擦熱が少ないので、マスキングへの攻撃性が少ないのでガラス工芸の業界で主に使用されています。 





細かい所の埃や砂は掃除機で吸い取ります。

圧搾空気を逆噴射する事により生まれる負圧を利用して塵を吸い取るのですが、一般的なファンの掃除機に比べると吸引力は遙かに落ちます。

しかし、エアの吹きつけと吸引が共用できるので便利です。






で、この掃除機ですが最初に付いてきた集塵バッグに穴が開いてしまったので別メーカの物を購入して取り付けてみました。

これ、結構良いです。 優れてます。







まず、集塵バッグの取り付け取り外しが圧倒的に楽です。
この太めの針金で出来たつまみを摘まんで緩めるだけで取り付け取り外しが出来ます。
一般的な金属ベルトをドライバを使って緩めたり締めたりする必要がありません。




そしてコレ。
バッグの中に針金が通っているので常に真っ直ぐになっています。

コレがないと集塵中にバッグが取り付け部のところで折れてしまって全く機能しなくなると云う事がありません。

そして内部の針金がハタキの役目をするので取り外したバッグを振るだけで内部の埃が落ちてきます。

布は柔らかいですが、今の所は破れる気配も無く埃の漏れも気になりません。
amazonで購入しましたが¥860と、手ごろな価格でうれしい限りです。





大きくなります

そして今回、既に彫られている文字の塗装が剥げかけているので再塗装の依頼がありました。

本来は塗装を落としてしまってから再塗装をすべきなのですが、げんばで作業するのは困難なので、そのまま上から塗装を行ないました。

紺色は剥げやすいですね。また、周囲に飛び散ると非常に目立つので養生をするのに手間が掛かりました。






大きくなったりします

塗料がある程度乾いてきたらスクレパーで削いでゆきます。

11月の気温なら1日乾燥させるべきですが、これが現場作業のツライ所です。

丁寧に、気をつけながら削いでゆきますが結構残ってしまいます。

まだ塗料が粘ついているので結構チカラが必要です。

無理に力を入れるとスクレパーに引っ掛かって文字のカドなどが欠けてしまうのです。






とりあえず、一通り塗料を削ぎ落としましたが、まだ塗料が残っている箇所が相当あります。





大きく

スクレパーで取れなかった塗料はラッカーシンナーで拭き取ります。

溶剤で拭き取る際も注意しないと塗料を塗り広げる様な状態になったり、文字の中に溶剤が入って塗料が溶けて流れ出したりします。

とにかく、紺色はイロイロ手が掛かるので大変です。



おおきくなった

スクレパーで削いだ塗料のカスが文字の中に入り込んでしまってう事も多いので一つ一つ穿り出してゆきます。

とにかく根気が必要ですね。

採算なんか合いません本当に。







作業完了です。

片付けをして、仕事場まで40数㎞の道程です。

のんびりと帰途につきました。





【補足】

「○○家法名碑」という見出しに「邊」という文字があります。

この「邊」のしんにょうに、点が二つ有る様に彫られています。

よく間違われますが、しんにょうは点が一つだけしかありません。

いや、にはどう見ても点が2つあるじゃ無いか。

確かに、点は2つ有りますが、その下が違います。

しんにょうは、点を1つ打って、その下にくねくね、そして左から右にずあーっとのばして書きます。

小学校で習いましたね。

そして、のしんにょうですが点を2つ打った後のくねくねが無く下にストンと落ちています。

つまり、点の様に書いても点じゃないのですね。

これは篆書の書き方では有るらしいですが楷書では無いです。

点を2つ打った後にくねくねと2回続けるのは楷書にも篆書の書き方にも有りません。

間違った書き方が定着してしまっていますので、その場その場での対応という事になるでしょう。

活字やPCに表示されるフォントなどは楷書を元に工業デザインとしてデザインされてなおされていますので細部で辻褄が合わなかったりするは多々有ると思います。

文化庁の見解でも、文字に関してはある程度の差異に関しては許容する事になっていますので、厳格に正誤にこだわるというのはちょっとズレていると思います。

小学校の教育方針が問題なでしょうかね?



墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
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090-2780-1671

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