2016/12/04

家紋など

なかなか捗らない仕事が多くて難儀している和泉字彫店ですいつもお世話になります。

デザイン性の高い洋墓などは施主様の意向を盛り込む要素が多く打合せなどが大変ですが、和墓の場合は独創性に富んだものは少なく、その意味では和墓の方がスムーズに作業に取りかかれます。
しかし、納期が短い事が多いのでキツさはあまり変わらない様な気がします。(当社比)

 そんな中、多くのお墓に彫られている家紋は規格された紋章の様に思われがちですが多くのバリエーションや施主様オリジナルの物もあって納期直前まで決まらない事も有ります。



 こちらは当店でメインで使っている丸に違い鷹の羽です。
綺麗に彫刻できる様に最適化しています。
紋帳などに記載されている家紋でもかなり違っていまして、当店で用意している丸に違い鷹の羽で12種類ぐらいは有るとおもいます。

線の数や位置が違ったり軸が僅かに突き出していたり(別の家紋として扱う事も有ります)羽が気持ちだけ細いけれども細違い鷹の羽では無かったりします。

家紋を彫る場合はこんな図面を作成し、施主様に確認をとってから作業にかかります。





丸に違い鷹の羽に限りませんが、時々奇妙な家紋を彫る事が有ります。



例えば、こんな感じです。

一つの小判型の羽の中に線を切り抜いた様な図柄になっています。

最近は稀ですが昔は時々有って不思議に思っていました。


数年前に、得意の石材店さんに家紋の出所を訊いた所、「鯉のぼり」だと云われました。


ああ、なるほど・・・・・。


鯉のぼりに家紋を入れる際に家紋の形の型紙を使って染めていたのだと思います。

この図柄で有れば型紙を使って染めるのは簡単にできますね。

過去には交差した羽の周囲が全て繋がっていた物もあっと思います。

それだと丸と鷹の羽の3枚の型紙だけで済みます。

正しいかどうかは判りませんが、そういう事も有りました。


家紋といえば・・・・

先日、この画像がメールで届きました。


丸に笹竹ですね。

丸に笹竹という家紋は比較的メジャーで、家紋の図鑑とも云える紋帳にも必ず載っています。

しかし、紋帳の作成者によって全て違っているのです。

全ての施主様の家紋が違っているので仕方ないですね。





つまり、丸に笹竹の場合には施主様によって図面をいちから作り直す必要があるのです。


では、作ってまいります。

画像を元に作成するのですが、撮影された家紋を用紙に印刷し、それを左手に持った状態で撮影された画像です。

傾いているし、歪んでいるし・・・・そのままの状態ではあまり良くありません。


「それ風になっていれば良いじゃないか。」

と云う声もあるでしょうが、ちょっとルーズ過ぎるし芸がありませんね。



 修正してみます。 状態はとても良いので比較的楽に出来るでしょう。



まずは、傾きからなおしましょう。

gimpを使います。

ビンボ人ですからね。無料の画像処理ソフトはありがたいです。







傾きが大体直りました。







次は剪断変形を使うと上手く修正できそうです。

状況によっては遠近法が便利ですネ。


(実は、このあたり一連の作業ですがスクリーンショットを撮っておらず、修正している画像と操作が一致していません。「再現風景」とお考えください。)







こんな感じで修正しました。

なかなか良い感じです。








これを絵取って家紋データーを作るのです。

これが面倒くさい。

ゴム切りが出来て、ちゃんと彫れる様にデーターを作成しなければなりません。






できあがりました。

線が細すぎたり肉がなくて繋がったりしない様に考慮して作成します。

たぶん、これで2時間弱程掛っているので採算的には全く合わないんですよねぇ・・・・・。




メジャーな家紋は用意しているのですがそうでない家紋はいちから作成しなければなりません。

先日、納期が目前になった案件の家紋が来ました。



鳳凰の丸



だそうです。 

既にデーターのある鶴の丸によく似た結構細かい家紋ですね。

 
 当店にある紋帳では細かい箇所が潰れてしまっていました。

 結構、修正が大変でしたがなんとか作成しました。

 派手ですね。




そして、日が変わり納期前日に・・・・




この画像のメールを受信しました。

たぶん、こっちで作り直す様にとの指示だと思うのですが・・・

無理・・・・。

もう間に合いません。  



得意様に恐る恐る電話しました。

とりあえず、目の部分だけが気になるので、この様に修正して欲しいとのことでした。





とりあえず、修正しました。





では、ついでに彫ってみましょう。






ゴム切りして、水鉢に貼り付けました。








細かい所から彫り込む所のゴムを取り除いてゆきます。









どんどん取り除いてゆきます。












取り除き終わりました。

これで彫る前準備が出来ました。





彫ります。


鶏冠の部分は非常に細かいので慎重にしないとなりません。


彫ります。








彫り終えました。









白色塗装をします。


細かい箇所にもしっかりと塗布します。









完了です。

こちらの御得意様は養生の為にゴムを張ったままの状態で出荷します。

そういうしきたりなのです。

ですので細かい箇所などの仕上がりは不安ですが確認できません。

当然、画像はありません。





細かい、家紋と云えば・・・・

「丸に尻合わせ三つ蔦」も結構細かいですね。





これは7寸用の水鉢の家紋です。









彫った所。











アップなど。

きゅーて感じで彫ってます。

細かい所は無理に彫るとゴムが痛んで無くなってしまうのです。








色を入れます。
 
白色です。

細かい箇所には塗料が入りづらいですが、無理に吹き付けるとゴム表面だけに塗料が積もって彫った所を塞いでしまうので注意しないといけません。







塗料が乾くと完成です。




おしまい。

長文駄文失礼しました。




墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
087-845-3871
090-2780-1671




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