2018/12/06

永代供養塔の文字彫刻作業

いつも御世話になります和泉字彫店です。

遠足楽しい遠足楽しいと浮かれた現場作業に偏りすぎている拙blogですので、今回は真面目に日常業務の永代供養塔の文字彫刻作業を投稿したいと思います。


お寺の永代供養塔の台です。
北木石をビシャン仕上げで作られています。
こちらの文字彫刻作業が今回のミッションです。

 


ビシャン仕上げは石の表面を磨いたりはせずにノミで叩いて作ったような昔風の仕上げ方法です。

磨いて作成した製品と違って表面に大きな凹凸が作られていますのでサンドブラストで文字を彫るのは難しくなります。

そのままではゴムシートを貼り付ける事ができず、ゴム糊を厚めにぬって貼り付けます。

ですが、ビシャン仕上げの石にゴム糊を直接塗布してしまうと凹んだ箇所にゴム糊が入り込んだり、ゴム糊成分を含んだ溶剤が石に染み込んで色が変わってしまったりするのです。




そこで、この様にゴム糊を塗る前処理としてコーティング剤を塗ります。

これは樹脂のコーティング剤ですが昔は膠(ニカワ)を使っていました。







しばらく放置してコーティング剤が硬化するのを待ちます。






コーティング剤が硬化すればその上からゴム糊を塗ります。






これは供養塔の仏石です。

供養塔の中心。最も重要なパーツと云えるところでしょうか。

これも同じようにコーティング剤を塗ります。






そしてゴム糊を塗ります。




これはお寺の紋を彫る花立てです。同じ様にコーティング剤を塗ります。

紋は細い線で構成されていますのでビシャン仕上げのように凹凸が大きい場合は非常に見づらくなる可能性があります。

その為、紋に当たる箇所はビシャンではなく平たく研磨されています。






コーティング剤が硬化すればゴム糊を塗ります。







仏石には南無阿彌陀佛と彫ります。





台石には倶会一處と彫ります。
これは、ゴムシートの密着度を上げる為にゴム鎚で叩いているのです。






花立てにはお寺の紋である「下がり藤に本」を彫ります。

紋の周囲に平たい面が見えてしまうと冴えませんので紋の外円は平たく研磨された箇所よりもわずかに大きくしてビシャン仕上げの部分にかかる様にしています。


では、彫りましょう。




彫りました。





画像はクリックで拡大するのです

ゴムシートを剥ぎ取るとこんな感じです。
ゴム糊は比較的簡単に除去出来るのですがコーティング剤は簡単には除去出来ません。




そこで・・・・





当店ではスチームクリーナーを使用しています。

熱湯や、水蒸気をあてるとコーティング剤は崩れる様な感じで除去できるのです。






コーティング剤の除去が終われば作業は全て完了となります。

滴っている水分のせいでビシャン仕上げが変な質感で写ってしまいました。



拙blogを御覧頂きありがとうございました。





墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。

和泉字彫店
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