2016/09/10

8寸のお墓へ文字の彫り入れに①

仕事場の暗い彫刻室に籠っていると身も心も砂に埋もれてしまいそうな和泉字彫店です。
いつもお世話になっています。

本日は2件の現場作業を頂きました。ありがとうございます。



高松市内のお寺にまいりました。


お墓のすぐ横に五輪塔が建てられています。

作業スペースがちょっと厳しいのですが、まぁなんとかなるでしょう。





今回は生前戒名をもらっていらした方が亡くなられましたので、そこに死亡年月日と没年齢を追加で彫り入れます。

生前戒名の場合は戒名の一部の文字に朱色(赤色)の塗装を施している事が多いです。

朱色は「生」を意味しますので亡くなられた場合は朱色を除去する必要があります。

今回の塗装の状況的には剥離剤の使用で十分に落とせそうです。

文字の彫り入れ前に剥離剤で除去した方が作業性が良いので先に除去作業を行ないます。




薬剤が他の文字に付着しない様に文字を彫る前に養生をします。

コレをしないと他の文字に朱色が飛び散って白色と混ざりピンク色になってしまう可能性があります。

そうなると、その付近一帯の塗装を除去しなければならなくなって大変です。










剥離剤を塗布して馴染ませると塗料が柔らかくなってブラシで落ちる様になります。

 剥離剤はラッカーシンナーの様な溶剤では無く塗料が柔らかくなるだけです。

ですので、取れた塗料が再付着する様な事は有りません。

ただ、剥離剤の多くは強いアルカリなので人体に付着すると危ないです。








はい。

除去出来ました。











彫り入れをする文字のゴムシートを貼り付けます。

既に彫ってある戒名とのバランスに注意しながら貼り付けるのです。













準備完了です。


サンドブラストに掛ります。


やはり、五輪塔の笠が邪魔で作業性は良くないですがなんとかしましょう。













彫り終えたら白色塗装をします。


朱色を除去した文字にも白色塗装をします。

が、戒名の一部分だけ鮮やかな白色なのも不自然なので同じ戒名の文字全てを塗装しました。








塗料の乾燥を待つ間に付近の掃除をします。

バキュームで付近の砂を吸い取ります。










塗装が乾いてきたらスクレパーで余計な塗料を剥ぎ取ります。


本当は1日乾燥させた方が綺麗に取れるのですが現場作業なのでそうもいきません。










完成です。

次の現場に向かいます。











墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。基本価格¥20,000~

和泉字彫店
高松市牟礼町牟礼3720-133
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090-2780-1671


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