2019/04/21

建学の精神 ③ 集塵機の修理

いつも御世話になります和泉字彫店です。
石碑の現地文字彫刻で使用する野外彫刻室の修善が終わり、今回は集塵機の修理をします。


はい、今回使用する予定の集塵機です。

電動機の出力は0.75kwと三相電動機としては小さく、集塵能力も頼りないのですが今回の様に比較的細い文字を彫る場合は十分に役立つと思われます。
また、使用した砂の回収と粉塵のクリーニングの際にも必要となります。

40年以上前の機種かつ何十年も不動の状態で放置されていた物で電動機が全く回転しないのでちょっと診てみようと思います。







画像は大きくなります

集塵機を横倒しにしてブロワー上部を開けました。

ボルト8本で止まっているので外してみましょう。



電動機とファンを取り出しました。
40年以上前の機種なのですが、造りが悪くて取り外すのも大変でした。
ちゃんと寸法を出さずに作ってあるのでハウジングの取り付けボルト穴とフランジの穴が合っておらず無理矢理削って固定してました。




電動機を開けてみました。
界磁側のコイルがまっくろくろすけですね。
完全に焼けております。
ベアリングは熱で変色しているけれども正常のようです。




近くでじっくりと見てみる。

絶縁体が完全に炭になってなってしまっております。

ベアリングに問題は無さそうだったので多分単層動作をさせてしまったのでは無いかと思います。







松下電気製だ。

調べてると松下電器はとっくに電動機事業から撤退しているらしい。

なので同じ製品はもう手に入らない。





0.75kw 2pole 自立型 
なんか、特殊仕様っぽい表記も有るのだけどなんだろうな。

軸にちょっとしたゴムシールがついていたのでひょっとしたら防塵機能があるのかもしれない。




問題はコレ。
シャフト先端にブロワーの羽根車取り付け用のねじ穴がある。
多分、新品の電動機を用意した場合はこのねじ穴は無いと思う。
また、近頃の電動機は規格が変わってしまっておりキーもサイズが違っている。新品にする場合は合う様に加工しなければならない。
なので、巻直しに出したいのだが業者がやりたがらないので困ってしまった。多分、小型の電動機だと旨みが無いのだと思う。





仕方が無いなぁ・・・・
国産では日立と三菱ぐらいしか製品を出していなかった。
寸法的に使えそうな機種を買ってみた。
業者曰く小型は巻直すよりも新品の方が安いといっていたが本当か?






開梱。

放熱用のヒダが作られておらずノッペリした様な外観だ。






並べてみると少し大きい。

まぁ、シャフトや取り付け寸法さえ間違っていなかったら何とか使える様になるでしょう。





コレはブロワーの羽根車。

シロッコファンでは無いけれども、ターボファンとかでもなく鉄板を切って溶接した手作り感あふれるできばえです。

大きな機種であればアルミ鋳造製の羽根車になります。





こちらが電動機側から見た図。
当たり前ですが一応、バランス取りはされておりますね。

でも、車の真円度は低いです。

電動機シャフトのキー溝を3mmから5mmに広げました。
これで取り付けできます。





では、電動機に羽根車を取り付けましょう。




シャフトの先端に羽根車取り付け用のネジ穴を開けてもらいましたのでボルトで固定できる様になりました。





しっかりと固定しましょう。




では、集塵機本体に搭載するのですが大変でした。
 製造時の組み立てで現物合わせで無理矢理組み立てているのでネジ穴が合いません。
穴を削って大きくしているのですが上手く合わずにボルトが硬いです。




何とか取り付け完了です。




次は配線です。

40年前のキャブタイヤケーブルは劣化して絶縁体がボロボロ崩れるので遣り替えになります。圧着端子を作るのです。






圧着端子作成完了。






電動機に接続完了。





ONN/OFFスイッチにキャブタイヤケーブルを接続します。

電動機が焼けたのが単相動作をさせたのだとしたらその原因はこのスイッチの接触不良に有ると推測されますが、テストしてみたところ問題は無さそうなので取り合えず使ってみて問題が出れば直結にしようと思います。





完成。

このポンコツ感。 不安感。





現場では野外彫刻室をスライドさせながら作業をしますので、それに合わせて集塵機も移動できる事が望ましいのですがキャスターのベアリングの破損やゴム輪の劣化でスムーズな動作ができませんでした。
キャスターごと交換したかったのですが現在ついているのが鋳造品のごつい物で現在では見られない物でした。
首振り側は4本ボルトで取り付けされてますが固定側は2本ボルトで取り付けなので代わりになる部品がありませんでした。




そこで、車輪だけ交換することにしました。

手配した車輪はかなりの対荷重が有りそうです。




同一寸法の規格品が有って良かったです。

シャフトや車輪の幅、径もちゃんと合いました。




シャフトを付けたら抜け止めの割ピンを付けます。





割ピンが大きくて不細工になってしまったけどまぁいいや。





車輪の新旧比較。

とてもスムーズに移動できる様になりました。

これで集塵機の修理は完了しました。



次はいよいよ実作業の石碑のゴム切り作業に入りますよ!


墓石、記念碑、表札等の石材への文字彫刻に携わっています。
戒名等の出張彫り承ります。
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